1. HOME>
  2. 薬科大学について

薬科大学について


● 薬科大学乱立による誤算
● 薬科大学入学の費用対効果

薬科大学乱立による誤算

大学

薬科大学乱立を語る上で2004年の法改正は避けて通れません。
それまで4年制だった薬学部がこの法改正により6年制になりました。4年制の下では、国家試験に合格しても実際の現場では臨床の知識がなく、 そこでの再教育を行なう必要があったのです。

このような問題を解決するのに必要な教育を再構築して長期の実務実習を取り入れました。臨床薬学を学んだ薬剤師の「患者のケア」に重点を置き、 5年時に5ヶ月間の実習を導入することで薬剤師教育・倫理教育をじっくりと行うことが目的です。その結果、意外な「副作用」が生まれます。薬科大学乱立です。

新設の意図はわかりやすいものです。薬科大学に入学する人は目的が明確で滅多なことでは進路変更はしないだろうし、薬剤師の国家試験は6年間薬学部で学ばなければ受験資格すらないのです。 こういた思惑から、薬科大学は急増します。法改正までは薬科大学は46校で安定した状況でしたが、大学の規制緩和と6年制への移行から、薬学部の人気上昇を見越して、 一気に新設・定員増がなされました。

2003年に就実(岡山)、九州健康福祉(延岡)が開設し、その後一気に6年間で28校の新設がありました。しかし、薬剤師を目指す学生という「パイ」の総量が急に増えたわけではなかったので、 同じような量のパイを約1.6倍に膨れ上がった大学で奪い合うことになりました。無論、行き着く先は定員割れです。
また、臨床薬学の教員も既設大学でも不足している状況の中で 急設で集めた大学の教員の質にも問題が有りました。このような要因から、学生の数の確保が至上命題である私大では、学生の質も低下します。 なんでも偏差値で図れるとは思いませんが、人の命を日常の業務で預かる薬科大学が偏差値35と聞いて、どう思われるでしょうか。薬科大学乱立の弊害は、誰の予想をも上回る早さで現れています。

こうした薬科大学の中には、国家試験合格率を見れば、偏差値が低くても入学後の教育の成果が現れている、と胸を張るところがあります。 確かに、偏差値が40以下なのに国家試験合格率が70%を超えていれば健闘しているという解釈も成り立ちます。しかし、中には入学者数と国家試験受験者の数に隔たりがある大学があります。 これは、成績が低い学生にはそもそも国家試験受験を許さないことによって「分母」を減らし、合格率が高いように見せるという「私学マジック」という数字の操作ですので、 薬学部志望者は入学者の人数ベースでその薬科大学の国家試験合格率を見るべきです。